『問題』は『問題』に気づくまで問題ではない
西村正紀の久々のブログ登場です。
児嶋から、「西村さん1年半ブログ書いていないんですよ。いいかげんにしてください」と
お叱りを受け、今回ブログを書くことになりました。
それで、前回の続きで、メンタルコーチングの話題をひとつ。
私がコーチングのセミナーを受けた師匠は、『関野直行』さんであることは前にも述べました。
その関野さんがセミナー中に言っていたなかで、特に印象に残ったことばに
次のようなものがありました。
「『問題』は『問題』に気づくまで問題ではない」
つまり、本人が知らないところで起こっているさまざまな
現象(特にその本人にとっては問題となるような現象)も本人にとっては
それに気づくまで全く問題ではないというものです。
その現象は本人の前に立ち現れたときに、その人の好き嫌いや価値観によって
『問題』となるわけですが、考え方を変えれば、好き嫌いや価値観の感じ方、
持ち方を変えれば問題を解決する可能性もあるわけです。
メンタルコーチは、クライアントとの会話を通してクライアント独自の価値観や執着を
手放して、なるべくニュートラルなものの見方を提供することが多いのですが、
このことをもっともっと大きく広げていけば、きっと面白いことが起こるかもしれません。
例えば、現在の日本の社会では、比較的経済の変動が重要な話題をしめていますが、
なにかもっと心の豊かさを尺度とするような会話やコミュニケーションが中心になったら
面白いかもしれません。
経済は確かにお金という単位で計りやすいのですが、
ソビエト共産主義が崩壊してイデオロギーの時代の終焉を経て、
いまや中国でさえ資本主義経済を謳歌(多くの中国の人ははその恩恵にあずかることが叶わないようですが)する時代になりました。
一方、アメリカや日本をはじとする、行き過ぎた利益至上主義が幅をきかす国々でも、
本当の豊かさが実感できなくなっているようで、
このことは『資本主義の終焉の予兆なのかな?』と思ってみたりもしています。
そんな中、「人類も含めた地球全体が、エネルギーレベルを上げ、
次のより高次のステージに向かっている」と、
私にとっては訳のわからん事を本気で考えている人も、
現実に私の周りに少なからず現れており、
今では私もそうした考えを全く無視できなくなっています。
しかもそうした人に限って、『お金』とは違った尺度で価値を測っている人が多いのです。
そんな人がどんどん増えていって、世の中にいっぱいになったら、
「現在の世界が全くの暗黒の時代だった」なんて話も、
まんざら無い訳ではなさそうな気がします。
個人的には、経済よりもそうした『訳はわからないけれども、何か新しい考え方』に魅力を
感じるのですが、私自身は現実的にはもう少し
「暗黒の時代を生き抜いていかねばならぬのやろなあ~」と諦観の境地。
しかし一方では、その新しい考え方に具体的な形さえ与えることができれば、
何の苦労もなしに、いとも簡単に『次なるステージ』に移行できるような気もします。
こんな訳のわからん事を考えるのは、ひょっとして関野さんのセミナーを
受けたことが影響しているのかも?
と思ってみたりしていますが、
「『問題』は『問題』に気づくまで問題ではない」
の言葉には人間の浅はかさを笑いとばすような愉快で深遠な、
哲学的なパワーを感じたのでした。
西村 正紀
2008/11/28 Fri 21:00